自分は多摩美術大学卒業後、六本木のデザイン会社で7年半働き、その後、地元の水戸に帰省して独立の道を選び、フリーランスのデザイナーとして6年間働いた。水戸の中小企業様相手に様々な仕事をやらせて頂き、その中ではチラシ制作も数多く行ってきた。
6年間も働き、何十件もチラシの制作を手がけていると色々と見えてくるものがある。チラシで何度も集客に成功している会社と全く反応がとれないで終わる会社には共通するポイントがある。
まだチラシによる宣伝を行った事がなく、これからチラシを配りたい!と思っている方は失敗を事前に防ぐためにも是非参考にして欲しい。
チラシで宣伝する目的を一つに絞らないと失敗する
チラシを制作する目的は集客が目的になるが、気をつけなければいけないのが、新規客を獲得したいのか既存客に宣伝したいかで全く内容が変わってくるところだ。
美容室のチラシの場合
新規客獲得向けのやり方
例えば、美容室で新規客獲得したいと思ってチラシを作る場合、はじめてご利用の方は半額にしますと伝えたり、他のお店にはない独自の強み、スタッフの写真やお店の雰囲気が分かる写真、そして、お客様の声などをチラシに載せていく。
チラシの配布の仕方はリピートして貰える可能性の高いお店周り半径5km圏内に配る。といったやり方になる。
既存客にリピートしてもらうためのやり方
既存客に向けた宣伝の場合、もう既に利用しているので、お店の事を知っている。知っている情報を繰り返し伝える必要はなため、伝える情報は全く異なってくる。美容室の場合は、来店周期があるので、来店のタイミングを見計らって既存客の住所宛にDMを送った方が効果的。
飲食店や小売店の致命的な間違い
美容室の場合、業界の常識として、新規客と既存客に向けた宣伝が異なる事は当たり前になっている。だが、飲食店や小売店の場合、新規客と既存客を切り分けずにどちらも集客したいと考えて両方に向けた宣伝をしてしまう場合が多い。
これはできればやらない方が良い。
なぜ、やってはいけないかと言うと、チラシの反応率が落ちてしまうからだ。広告に置いて反応率はものすごく大切でチラシは作ればなんだって良い訳ではない。
新規客獲得向けの広告宣伝の目的は顧客リストを買う事
新規客を獲得するというのは、どんな業界でもお金がかかってしまう。不特定多数に向けて宣伝し、興味を持ってくれる人を拾い上げていく訳だから当然だ。だから、常に不特定多数に向けて宣伝していたら、会社の資金がすぐに底をついてしまう。
新規客向けの宣伝は、顧客リストを獲得するために打たなければならない。最初から利益を得ようとするのではなく、最初はこれから何度もあなたの会社の商品を購入してくれる可能性の高い人を広告によって見つけ出すために行うという事だ。
広告によって売上を上げるのではなく、広告によって顧客を買うという視点を持つが大切。安い広告費で良質な顧客を買う事ができれば、長い目で見ればあなたの会社の利益をどんどん積み上げていく事ができるようになる。
なぜかと言うと一度お店に来てくれたという事は、興味を持って反応してくれたという事。お店のファンになって頂ければ、何度も何度もあなたの会社の商品を購入してくれる可能性が高まる。どんなビジネスでも大抵リピート客に支えられている。
十分な顧客リストを獲得できたら、紹介キャンペーンなどで広めていく事もできるため、新規客獲得向けの宣伝をしなくても新規客を集める事ができるようになる。
飲食店や小売店が行うべきリピート客に向けた宣伝の仕方
新規客にもう一度リピートしてもらうためには、メールアドレスや住所などの顧客情報をゲットしなければならない。顧客情報をゲットできなければ、せっかく興味を持ってきてくれた顧客に対して情報提供ができなくなるからだ。
情報提供できないという事は、お店のアピールはできなくなるし、何より継続的にアプローチをしていなければ、いつか忘れられてしまう可能性が高まる。データによると顧客がお店を離れる最大の原因は70%が忘れられてしまう事が原因だ。
だから、顧客情報をゲットする事は最優先で取り組まなければいけない。でも、この重要性を多くの方はまだ気づいていない。最近は、飲食店や小売店でもリピート客対策としてメルマガやラインに繋げているお店は多い。
しかし、現場で働くスタッフまで顧客リストを獲得する事の重要性は行き渡っていない。店舗での声かけがあるかないかで、登録してもらえる確率は全く変わってくる。
顧客リストの価値、重要性をお店のトップがしっかりとスタッフに伝えていかなければいけない。
ほとんどの人が間違えているチラシやタウン誌広告などの広告宣伝物に対する捉え方
クリエイティブな作業を安く叩いてはいけない
数多くのチラシを制作させて頂いて、クライアントは何を重視しているかというと、ほとんどが価格。作るのにどれだけのお金がかかるかばかりを重視している。広告において、この考えは一番まずい。
自分が広告畑にいるから言っている部分もあるかもしれないが(笑)普通に考えて、クリエイティブな仕事というのは売上を生み出す元になるもの。反応のとれるチラシを作ってもらえなければ、売上は上げられない。
全く反応してくれないチラシを安く作って新聞折込に多額のお金を使って、全く反応がなかった。チラシはダメだ。と言ってしまうのは、捉えている視点が全く違う。
反応のとれるチラシを作れていれば、一気にお客さんが殺到している可能性だってあるからだ。つまり、宣伝に成功するためには、チラシでもホームページでもDMでもなんだって反応率の高いものを作れるかどうかにかかってくる。
売れるチラシと売れないチラシの違いとは?
反応のとれるチラシととれないチラシでは、売上にとんでもない差が出るのをしっかりと把握しておかなければならない。
例えば、5000枚配って反応率が0.5%だったら25人が来店。反応率が5%だったら250人が来店する事になる。
反応率が10倍になれば売上も10倍になる。
つまり、反応率の高い広告物というのは、会社にとって大切な資産となる。でも、この事に気付いている人は非常に少ない。
チラシを折り込んで全く反応がないとダメだ。となり、すぐに諦めてしまったり、反応率のチェックもせずに憶測で内容を変えて無駄に広告費を垂れ流している方も多い。
チラシ・ホームページ・DMなど全ての広告物は育てていくもの
広告費を無駄に垂れ流してしまうのを避けるためには、広告物を育てていくという視点を持つ必要がある。
これはチラシに限った話ではない。タウン誌広告でもホームページでも一緒の事だ。今までの経験上、はじめて作った広告物がヒットする事はほとんどない。業界の権威と言われる人でも最初は8割失敗している。
反応のとれる法則に沿って広告物を制作したとしても、失敗してしまう事は避けられないという事だ。
だから、絶対にやらなければいけないのは、あなたが作った広告のどこに問題があるのかを見つけ出し、その問題を改善する作業だ。
少額の広告費でテストを行い、一つの要素ずつ検証して反応を高めていく
最初からは高い反応は得られないため、一気に多額の広告費を使ってばら撒くのではなく、面倒臭いかもしれないが、最初は少額の広告費でテストを行った方が良い。
どこをテストすれば良いかと言うと、ポイントはたくさんある。ヘッドライン(見出し)、オファーの内容、価格、画像、デザイン、メッセージなどいろいろだ。
気をつけなければいけない事は、一つずつ確かめていかなければいけないところ。
全体を一気に変えてしまうと、どこに問題があるのかを見つけ出す事ができない。だから、地道にコツコツと一つの要素だけ変えてテストを行い反応を高めていかなければならない。
詳しいやり方を知りたい方は、こちらをご覧頂ければと思う。
→100%確実にネット広告で売上UPする最強の仕組みの作り方
このような事は面倒臭いと思われるかもしれないが、数多くのテストを繰り返し、高い反応が得られる広告物を作る事ができたら、競合他社が真似してきたり、市場のニーズが無くならない限り、半永久的に安い広告費でたくさんの顧客を獲得できるようになる。
広告費というのは、広告物の反応率が低いままだと物凄く高くつく。できる事なら早い段階でテストを行い、反応率の高い広告物を作り上げられる事をオススメする。
まとめ
自分の場合、6年間クライアントから言われた通りにチラシ制作を行っていた訳ではない。どうすれば、チラシで反応がとれるかを本やセミナー、コンサルティングを受けて学んできた。
多くのチラシ制作会社はクライアントに言われた通りに「綺麗にデザインするだけ」がほとんどだと思う。
でも、それでは、絶対に反応を取る事はできない。会社にとって大切な資産となる広告物を作成するためには、知っておかなければいけない事がやまほどある。是非、学んで頂きたい事がマーケティングとコピーライティングだ。
チラシやホームページなどの広告物で集客と販売につなげるためには絶対に必要な技術になるので、是非、興味がある方は学んで頂ければと思う。