web関係の仕事をしている方であれば、当たり前のようにチェックしているとは思うが、会社経営者や社内の広報担当者も絶対にチェックしなければならない数字。
それがコンバージョン率だ。
ホームページ内のフォームを使った問い合わせや資料請求、商品の販売、メールアドレスの登録、スマホからの電話問い合わせなど。全てどのくらいの確率で成果に繋がったかを正確に把握する事ができる。
この数字によって、会社のホームページがちゃんと高い反応がとれているか、そうではないかが見えてくる。コンバージョン率はいわば、ホームページの成績表と言える。
でも、僕が知る限り、コンバージョン率を測定していなかったり、コンバージョン率の重要性を認識している人は非常に少ない。そのため、今回は、コンバージョンとは何かからその必要性、活用方法まで分かりやすく説明していきたいと思う。
コンバージョンとは?
コンバージョン(Conversion)とは、変換、転換、交換といった意味を持つ英単語になるが、webの世界では、ホームページ上で獲得できる最終的な成果のことを指す。
例えば、
- 申し込みフォームから商品の注文が入った時
- 資料請求フォームから申し込みがあった時
- 問い合わせフォームから問い合わせがあった時
- メールマガジン購読のフォームから申し込みがあった時
- スマホサイトから電話がかかってきた時
などになる。
会社によってホームページに求める最終的な成果は様々になるが、コンバージョンを測定できるのは、「フォームを使った場合」と「スマホからの電話」の2種類になる。(ちなみに、フォームとは、名前や住所やメールアドレスなどを入力して送信する操作画面の事を言う。)
家の電話やPCサイトを見て携帯から電話をかけてきた場合は、コンバージョンを測定する事はできないが、手動で記録しておけば、把握する事はできる。PCサイトからの電話問い合わせも意外と多いので、ちゃんと記録しておくべきだろう。
なぜ、コンバージョンを測定しなければならないのか?
では、なぜ、コンバージョンを測定しなければいけないのか?
それは、コンバージョン率が高ければ問題ないが、低ければ競合他社にお客がとられている可能性が高いからだ。
ちなみに、コンバージョン率というのは、アクセス数をコンバージョンした数で割った数値になる。
アクセス数が多いのに、コンバージョンしている数が少なければ、ホームページに魅力を感じずに、他のページに移っている人が多いという事になる。
逆にコンバージョン率が高いというのは、ホームページに魅力を感じてここにお願いしてみようと思ってくれた人が多いという事になる。
つまり、コンバージョン率が高いホームページというのは、優秀な営業マンと一緒という事。
営業マンのセールストークが下手で、見た目がパッとしなければ、売れないのと一緒でコンバージョン率が低ければ、ホームページのメッセージやデザインを改善して売れるホームページに変えていく必要がある。
特に早い段階で対策しなければいけないのは、お金をかけて宣伝している場合だ。
コンバージョン率が低いと、広告費にお金がかかっているのに、売上を上げる事ができない。酷い場合は、広告費を回収できるだけの売上を上げられず、赤字が続いてしまう。
だから、ホームページに改善を加えてコンバージョン率を高めていき、競合他社との競争に勝ち抜いていかなければならない。
クリック課金型のネット広告でホームページを宣伝した場合のシミュレーション
わかりやすくクリック課金型のネット広告で広告を出した場合のシミュレーションを行ってみたいと思う。
1000回クリックで平均クリック単価が200円かかり、商品単価が1万円だった場合
ホームページのコンバージョン率が1%だった場合は10万円の赤字
(クリック数1000回 × 平均クリック単価200円) – (クリック数1000回 × コンバージョン率1% × 商品単価1万円)= -10万円の赤字
ホームページのコンバージョン率が5%だった場合は30万円の黒字
(クリック数1000回 × 平均クリック単価200円) -(クリック数1000回 × コンバージョン率5% × 商品単価1万円)= 30万円の黒字
このように、コンバージョン率が5倍になれば、売上も5倍になる。
これは、webに限った話ではなく、広告物全般に言える事。チラシでもDMでもタウン誌広告でもタウンページでも同じ事だ。
広告を打つ際には、広告費にしか目がいかない人も多いが、広告で売上を上げるためには、どんな内容で掲載するかが何よりも重要になってくる。広告費を回収し、大きく売上を上げるためにはコンバージョン率を高める事だ。
コンバージョン率の高め方
では、コンバージョン率を高めるためには、どんな方法をとっていけば良いかというと最も効果的な方法はA/Bテストを行う事だ。
コンバージョン率を高められる「A/Bテスト」とは?
A/Bテストとは何かと言うと異なる2つのホームページを競わせてどっちのコンバージョン率が高いかを見極めるテストの事を言う。
頭の中でいくら考えたところで、実際は市場に投入してみなければ本当の答えを見つけ出す事はできない。答えは市場にしか埋まっていない。だから、社内で検討してこれならいけると思った2種類のホームページを同時に市場に投入して競わせるのだ。
ポイントを変えて何度も何度もA/Bテストを行っていけば、コンバージョン率はどんどん上がっていく。
でも、やり方を間違えてしまうと一向に思った成果は得られない。コンバージョン率を高めていくには、ポイントがあるので以下のポイントを参考にしていただければと思う。
最初は成果を気にしてはいけない!テストのために最小限の広告費を使う
今までの経験上、せっかくお金を使って広告を打つのだから、すぐに利益を求めてしまう方はとても多い。
気持ちは分からないでもないが、最初からヒットするのは非常に稀。大体最初は高いコンバージョン率は得られない。
だから、最初の目的は利益を出す事ではなく、コンバージョン率の高いホームページに育てる事と、今回のプロモーションでちゃんと利益を得られるのかをテストするために行って頂きたい。
実際、A/Bテストをしっかり行ったとしても、市場のニーズが少なかったり、客単価が安ければ思ったような成果を出せないケースも多々ある。やってはいけない事は自分の頭で考えたプランは絶対いけると思って、最初から多額の広告費を使って攻めてしまう事だ。
上手くいったら良いが、ダメだった時の痛手が深い場合、立ち直れなくなる。
だから、最初は最小限の広告費でチェックする。
A/Bテストを繰り返してもダメだったら、頭を切り替えて別なアイデアを考える。
そして、またテストを行っていく。これをスピーディーに行っていく事が大切。
新事業に相当な金額を注ぎ込んでいると、思い入れが強くなり、なかなか止めることが出来なくなる。だから、スピーディーに最小限の予算でチェックする事がとても大切になってくる。
絶対、最初から大勝負はしないように注意して頂きたい。
A/Bテストを行うのは1つの要素のみ!全てを変えてはいけない
ホームページで高いコンバージョン率を得るためには鉄則として守らなければいけないルールがあり、そのルールに沿って作られたホームページであれば、大きく内容を変える必要はない。
もちろん、全然ルールに沿ったホームページになっていない場合は、1から作り直す必要がある。
ここで説明すると長くなってしまうため、ネットで成果を出すルールをわかりやすく動画で伝えている100%確実にネット広告で売上UPする最強の仕組みの作り方を一通りご覧になってどんなルールに沿って作るかをご確認いただければと思う。
では、なぜ、A/Bテストを行う際に、1つの要素のみを変えて競わせなければいけないかというと、、
伝えているメッセージもデザインも全く異なるホームページを競わせてしまうとどこに問題があったのかが分からなくなるからである。1つの要素のみの変更であれば、コンバージョン率が高まった原因は明確だ。
では、どの部分を変えて競わせていくのかというと、まず、最初に競わせるポイントは、「ファーストビュー」の一つ一つの要素になる。
なぜ、ファーストビューが重要かと言うと、最初にアクセスしてきた時に見える「見出し」と「画像」と「デザイン」でそのページを読んでもらえるかが決まるからだ。ここで80〜90%は決まると言われている。
だから、全神経を集中させて、どんな見出しにすれば、ホームページを読んでもらえるか?どんな画像やデザインにすれば読み手の注意を引く事ができるのかを検討していかなければならない。
- 見出しだけを変えてA/Bテスト。
- 次に見出しの横にある画像を変えてA/Bテスト。
- その次に全体の雰囲気のデザインを変えてA/Bテスト。
といった具合だ。
面倒臭いなぁと思われるかもしれないが、コンバージョン率を高めるための作業を行わなければ売れるホームページに育てる事は絶対にできない。会社のホームページを売れる営業マンにするためには絶対に必要な作業になる。是非、覚悟して取り組んで頂きたい。
まとめ
広告宣伝のお手伝いを何年も行っていると、コンバージョン率に興味を持っていない人から相談を受けるのを目の当たりにする事が多い。マーケティング業界の中では当たり前の事が広告を実際に打つ方に行き届いていない事になる。
広告というのは非常に難しい世界でなかなか上手くいかない。
だから、広告を育てるという視点が非常に重要になってくる。
もっと広告業界やホームページ制作業界全体でコンバージョン率の重要性を伝えていく必要があるとは思うが、それは、あまり期待できないかもしれない。なぜなら、広告を育てていくには、手間がかかり、豊富な知識と高い技術が必要だからだ。
それに、成果を求められる仕事で力を発揮していこうと思う人はリスクが高いため、そんなに多くはいない。こうした情報発信は微々たる力だとは思うが、広告を効果的に活用して会社の売上をあげたいと思っている方のお役に立つ事ができたら幸いだ。